更新日:2024年2月8日(木)

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新型コロナウイルスの影響で、多くの職種でリモートワークが一般化してきました。

その結果、オンラインでのコミュニケーション手段として「クラウドコミュニケーション」が注目を浴びています。 

クラウドコミュニケーションは、インターネットを通じて音声やビデオ、テキストメッセージなどを送受信する手段です。場所や時間を問わずに効率的なやり取りを可能にします。

ただし、注意しておきたいポイントもあるのも事実です。 

この記事では、クラウドコミュニケーションのメリット・デメリットから導入する際のポイントについて解説します。中小企業でクラウドコミュニケーションを導入する際には、気をつけるべきことやツールの選び方のポイントを含めて提案するのがおすすめです。

導入を検討している中小企業に対して、必要性を含めて提案するためにもぜひご覧ください。 

クラウドコミュニケーションとは?タイプ別の代表的ツールも紹介

クラウドコミュニケーションはインターネットを通じて行われるコミュニケーションの手段・ツールのひとつです。一般的にはテキストや音声、映像などをクラウド上に蓄積し、共有します。クラウドにアクセスすることで、どこにいても情報共有やコミュニケーションが可能となります。

主に、以下の3つのタイプがあります。

テキストコミュニケーションチャットやメールなど文字情報でのやり取り
音声コミュニケーション電話やオンライン会議など音声でのやり取り
ビデオコミュニケーションビデオ会議やウェブセミナーなどの映像情報のやり取り

それぞれ、詳しく紹介します。 

テキストコミュニケーション

チャットやメールなど文字情報でのやり取りをテキストコミュニケーションといいます。非同期で情報共有が可能です。データを送る際に、送信側と受信側のタイミングの一致を気にせずにデータをやり取りできる特徴があります。

代表的なものには、ChatworkやLINE WORKS、Slack、Teamsなどがあります。

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音声コミュニケーション

音声コミュニケーションでは、電話会議などリアルタイムで音声によるコミュニケーションが可能です。これまでの音声コミュニケーションは、PBX(Private Branch Exchange)と呼ばれる交換機を介して電話として行われてきました。現在では、物理的な交換機を介さずにクラウドシステムを通じて音声コミュニケーションが可能となっています。

クラウドコミュニケーションの音声コミュニケーションの代表的なものに、SkypeやZoomがあります。

ビデオコミュニケーション

ビデオコミュニケーションも、リアルタイムでコミュニケーション可能です。顔や表情を見ながらコミュニケーションがとれるため、テキストや音声だけよりも伝わりやすくなるメリットがあります。

またビデオコミュニケーションでは、資料を共有しながら説明が聞けるため音声コミュニケーションよりも相手に伝わりやすい特徴があります。そのため、会議以外にもオンラインセミナーやウェビナーといった講義の場でも活躍しています。

ビデオコミュニケーションの代表的なものは、ZoomやGooglemeet、Microsoft Teamなどです。

クラウドコミュニケーション拡大の背景

クラウドコミュニケーションが拡大した背景には大きく分けて2つの理由があります。

  • リモートワークの普及
  • クラウドコミュニケーションツールの進化

それぞれ、詳しく紹介します。

リモートワークの普及

新型コロナウイルスの影響もあり、リモートワークが普及しました。それに伴い、対面での打ち合わせが少なくなり、クラウドコミュニケーションの利用が拡大しました。

総務省の「仕事の進め方の変化(コミュニケーションツールの利用拡大)」によると、Microsoft TeamsおよびZoomのユーザ数は2020年3月から利用拡大しています。

※参考:総務省「仕事の進め方の変化(コミュニケーションツールの利用拡大)」

Microsoft Teamsの日次ユーザ数は、2020年の3月11日からの1週間で1,200万人の増加です。また、2020年10月時点の日次ユーザ数は1.15億人を記録しました。Zoomについても、2020年4月3日からの19日間で1億人のアクティブユーザが増加しています。

また、セミナーや講座などもウェビナーといった方法など、オンラインで行われるものが多くなりました。

クラウドコミュニケーションツールの進化

情報共有もできるクラウドコミュニケーションツールが豊富になり、性能が向上したことも、利用者の増加に影響しています。 

メールのような連絡手段だけでなく、クラウド経由でファイル共有できたりチャット形式でコミュニケーションできたりするツールも複数あるため、選択肢も豊富です。

社内のやり取りでも対面や電話よりも、情報が蓄積できる最新のツールを使ったほうが記録を残せるなどのメリットがあります。

クラウドコミュニケーション導入のメリット

クラウドコミュニケーション導入のメリットはおもに3つあります。

  • 場所と時間を選ばないコミュニケーション
  • コスト削減に効果的
  • 作業効率と生産性の向上

それぞれ詳しく解説します。 

場所と時間を選ばないコミュニケーション

クラウドコミュニケーションの最大のメリットは、場所と時間を選ばないところです。以前は物理的な距離や時間帯がコミュニケーションの障害となっていましたが、クラウドを利用することで問題が解決しました。

たとえば、自宅や出先でも、スマートフォンやパソコンがあれば手軽にミーティングに参加できます。異なる時間帯に出社する従業員ともスケジュール調整に困ることなく、コミュニケーションが可能となります。

このような柔軟性は、働き方改革の推進や生産性向上にも効果的です。

コスト削減に効果的

クラウドコミュニケーションの導入は、企業のコスト削減に貢献します。初期費用が少なく、保守・運用費用も抑えられるためです。

自社でコミュニケーションシステムを導入する場合は、初期投資が必要となります。ここに含まれるのは、設備導入費やシステム開発費、研修費などです。クラウドコミュニケーションの場合は、クラウドを利用するため初期投資が抑えられます。

システムの運用や保守には、人件費や設備更新、修理に費用がかかります。一方でクラウドコミュニケーションでは、運用や保守をサービス提供側が行うためコストを削減できます。

作業効率と生産性の向上

クラウドコミュニケーションがもたらすメリットは作業効率と生産性の向上にあります。従来のオフィスワークでは、会議のために全員が集まる必要がありました。しかし、クラウドコミュニケーションを導入することで、場所や時間に縛られず業務を進めることが可能です。

たとえば、データ共有ツールを利用することで各メンバーが自分のペースで作業を進められます。作業の進捗状況をリアルタイムで確認し、問題が発生した際には対応することが可能です。会議のために集まる必要もなく、自分のペースで作業を進められるため作業効率向上につながります。

また、ビデオコミュニケーションツールを活用すると、遠隔地のメンバーとも顔を見ながらコミュニケーションが可能です。声や表情を確認しながらコミュニケーションできるので、誤解を生みにくい環境作りができ、ほかのメンバーと意見交換できます。チーム内の誤解を減らすことは、チーム内の連携を強くし、共通の目標に向かって効率的な作業が可能になります。効率的な作業が可能になると、結果的に生産性向上にも貢献します。

クラウドコミュニケーション導入のデメリットと対策

クラウドコミュニケーション導入のデメリットと対策について紹介します。主なデメリットは下記の3つです。

  • 自己表現が難しい
  • ネット環境の整備
  • コミュニケーションのタイミング

それぞれデメリットと対策について紹介します。

自己表現が難しい

クラウドコミュニケーションのデメリットとして自己表現が難しいこともあげられます。

テキストベースのコミュニケーションの場合、表情や声のトーンが欠けてしまうため意図は伝わりにくくなることがあるためです。とくに難しい話題やデリケートな問題を扱うときには誤解を招く可能性があるため、注意が必要です。

解決策としては、ビデオコミュニケーションを活用することで顔色や声のトーンを通じて感情を伝えられます。また、絵文字を用いて表情を示すことでもより豊かな表現が可能となります。

定期的に対面の会議を設けることで、テキストだけでは難しい深いコミュニケーションを補うことも大切です。

ネット環境の整備

クラウドコミュニケーションのデメリットは、ネット環境の不安定さにあります。ネット回線が弱い場所や一時的な接続障害などで、作業ができなくなる可能性もあるので注意しましょう。

解決策としては、高速で安定したインターネット回線を選択し契約することです。また、データ通信量を気にしなくていいように、データ通信無制限のプランを選ぶのもおすすめです。

作業場所のネット環境も確認しましょう。Wi-Fiの電波が弱い場所では、有線LANを使用したりWi-Fiの中継器を使用したりして環境を整えると不安定さの改善につながります。 

コミュニケーションのタイミング

クラウドコミュニケーションでは、対面とは異なるコミュニケーションのタイミングが求められます。

とくに、ビデオコミュニケーションでは、画面の遅延や音声が遅れて聞こえる場合などスムーズな会話が難しい場合もあるので注意が必要です。画面や音声の遅延があるときには、相手にもそれを伝えて理解してもらうようにします。また、遅延が少ない安定したツールを選択することも大切です。

テキストコミュニケーションでは、既読や返信中など相手の反応のタイミングを読み取る必要があります。適切なタイミングで返信するのが難しい場合もあるかもしれません。あらかじめ、返信できないタイミングなどは伝えておくのが良いでしょう。

クラウドコミュニケーション導入のポイント

クラウドコミュニケーションを導入するさいに気をつけたいポイントは、下記の3つです。

  • 自社にあったツールの検討
  • セキュリティとサポートの確認
  • 既存のツールとの互換性を確認

とくに2つめのセキュリティについては、確認をしておかないと情報漏えいなどにつながる恐れもあります。それぞれ、詳しく解説します。

自社に合ったツールの検討

クラウドコミュニケーションのツールはさまざまなものがあるので、特徴や使い方などから自社に適したものを選択する必要があります。

具体的には、テキストや音声などのコミュニケーションの種類を検討します。そのほかにも、ファイル共有やタスク管理、カレンダー機能など、どのような機能が必要か確認しましょう。

使いやすさも選ぶ際のポイントになります。簡単に操作できるかどうかの確認も大切です。 

セキュリティとサポートの確認

クラウドコミュニケーションではセキュリティとサポートの確認が欠かせません。ビジネスでクラウドコミュニケーションを利用するため、個人情報や業務データなど重要な情報がクラウドに蓄積されます。不正アクセスにより、情報漏えいが発生しないようセキュリティはしっかりしているか確認することが大切です。

また、トラブルが発生した場合にすぐに対応してくれるサポートがあるかどうかも、あわせて確認しておく必要があります。 

既存のツールとの互換性を確認

既に自社で使用しているツールとの互換性を確認しておくのも大切です。メールやカレンダー、ファイル共有ツールなどと、連携可能か確認しましょう。

導入前に連携できるか確認しておくことで、導入してからのトラブルを避けられます。事前に連携については確認しておきましょう。 

まとめ:メリット・デメリットを知ってクラウドコミュニケーションの導入をサポートしよう

クラウドコミュニケーションは、リモートワークには欠かせないツールとなりました。

ただし、メリット・デメリットについて知っておかないと、導入したあとにトラブルになる可能性もあります。そこで、しっかりとメリット・デメリットやデメリットの対策方法を説明し、導入のサポートをできるようにしておきましょう。

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